ポータブル電源の容量は、使いたい家電の消費電力(W)×使う時間(h)を合計し、電力のロスを考慮して選びます。容量が大きくても、家電を動かすための出力が足りなければ使えません。最初に「何時間使いたいか」と「同時に何を動かすか」を決めましょう。
この記事の表は、容量から使える電力量を80%と仮定した計算例です。実機で測定した時間や動作保証ではありません。最終確認:2026年9月16日。
Whは容量、Wは出力・消費電力
- Wh(ワットアワー):蓄えられる電力量。100Wを1時間使うと100Whを消費する計算です。
- W(ワット):家電がその時点で使う電力、または電源が供給できる出力を表します。
例えば「容量500Wh・定格出力500W」の電源で、消費電力1,000Wのケトルを通常運転することはできません。使用時間の計算より先に、定格出力・対応電圧・周波数・出力端子を確認してください。起動時に大きな電力が必要な家電は、起動電力への対応も確認します。
必要な容量と使える時間を計算する
使える時間(h)の目安=容量(Wh)×0.8÷消費電力(W)
必要容量(Wh)の目安=消費電力(W)×使用時間(h)÷0.8
0.8は比較のために置いた仮定です。機種、AC・USB・DCの接続方法、負荷、温度、電池の劣化、残量設定などによって変わります。機種の公式計算方法がある場合はそちらを優先してください。
50WのノートPCを8時間使うなら、50×8÷0.8=500Whが計算上の目安です。実際には消費電力が変わるため、余裕も見込みます。1,000Whで50Wを連続使用する場合は1,000×0.8÷50=16時間となります。
300・500・1,000・2,000Whで家電は何時間使える?
家電名は用途の例で、消費電力は計算用の仮定です。すべて満充電から一定の電力を連続使用する前提で、小数1桁に丸めています。各家電が電源の定格出力内に収まることが利用の条件です。
| 家電・仮定した消費電力 | 300Wh | 500Wh | 1,000Wh | 2,000Wh |
|---|---|---|---|---|
| LED照明(10W) | 24.0時間 | 40.0時間 | 80.0時間 | 160.0時間 |
| ノートPC(50W) | 4.8時間 | 8.0時間 | 16.0時間 | 32.0時間 |
| 扇風機(50W) | 4.8時間 | 8.0時間 | 16.0時間 | 32.0時間 |
| 電気毛布(60W) | 4.0時間 | 6.7時間 | 13.3時間 | 26.7時間 |
| テレビ(100W) | 2.4時間 | 4.0時間 | 8.0時間 | 16.0時間 |
| 電気ケトル(1000W) | 0.2時間 | 0.4時間 | 0.8時間 | 1.6時間 |
| ドライヤー(1200W) | 0.2時間 | 0.3時間 | 0.7時間 | 1.3時間 |
ケトルは沸騰後、電気毛布は温度調節中に消費電力が変わります。表の連続時間を、そのまま湯沸かし回数や一晩の実測時間とは読み替えられません。電子レンジは「加熱出力500W」ではなく、銘板にある消費電力で計算してください。
用途別に計算する:日帰り・一泊・停電への備え
日帰りの作業:PCと照明
PC50W×4時間+照明10W×4時間=240Wh。必要容量は240÷0.8=300Whです。この使い方なら300Whが計算上の最低目安となり、延長して使う場合は追加の余裕が必要です。
一泊のキャンプ:扇風機と照明
扇風機30W×8時間+照明10W×5時間=290Wh。290÷0.8=362.5Whなので、500Whクラスが比較の出発点になります。PCや冷蔵庫も使うなら、その電力量を加算します。
停電時:必要な機器と日数から逆算
人数だけで容量を決めず、優先する機器の1日分の電力量と、備えたい日数を掛け合わせます。例えば1日400Whを使う想定で2日分なら、400×2÷0.8=1,000Whが計算上の目安です。暖房・調理まで電気で賄う場合は別途計算が必要です。
医療機器など停止が健康に関わる用途は、この一般計算で可否を判断せず、機器メーカーや医療機関に対応電源を確認してください。
冷蔵庫とスマホは計算方法に注意
冷蔵庫:瞬間のW数だけで一日分を決めない
冷蔵庫はコンプレッサーが断続的に動くため、運転中のW数を24時間分掛けるだけでは実態とずれる場合があります。適合する電力計で普段の使い方に近い24時間の消費電力量を測ると計画しやすくなります。室温、設定温度、扉の開閉、起動電力も確認してください。
仮に24時間で600Whを使った場合、1日分の必要容量は600÷0.8=750Whです。これは例示であり、特定の冷蔵庫で測定した結果ではありません。
スマホ:充電器の最大W数から回数は決まらない
充電の途中で電力が変わるため、「15Wで何時間」と「何回満充電できるか」は別です。回数を計算する場合は端末の電池容量(Wh)と充電損失を確認します。例えば電池容量15Wh、利用できる電力量を80%と仮定すると、300×0.8÷15=約16回。実際は使用しながらの充電や端末の状態によって変わります。
購入前に確認する5項目
- 家電の型番と実際の消費電力を確認する。
- それぞれの使用時間からWhを計算し、合計する。
- 同時に使う家電のW数と起動電力が出力条件に合うか確認する。
- 計算値に余裕を持たせ、重さ・予算・持ち運び方も比較する。
- 充電しながら使う場合は、その機種の対応条件を確認する。
ソーラーパネルは天候・日陰・設置角度などで発電量が変わります。公称出力が一日中得られる前提で容量を減らさず、充電できない時間の備えも考えてください。充電しながら使えるかどうかも機種によって異なります。
自宅で確認するときの記録例
型番、家電の設定、周囲温度、開始残量、接続端子、使用時間、消費電力量、終了残量を記録します。例えば「PCの画面輝度」「電気毛布の強弱」まで残すと、条件の違いを比較できます。電力計は定格内で使用してください。
実測値が得られたら、上の仮定値をその値に置き換えて計算しましょう。製品名に含まれる「1000」などの数字が実際のWhと一致するとは限らないため、必ず仕様表の容量を使います。
参考資料と次に読む記事
計算方法の参考:Jackery公式:電化製品を使える時間の計算方法。当ページの計算例は、条件を明示して独自に計算しています。
容量が決まったらメーカー比較で機種の違いを確認してください。充電が始まらない場合は充電トラブルの確認手順を参照できます。

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